女の人のために借金を請け負った高橋京介さんのお話です。彼は、どんな理由で借金をする経緯になったのでしょうか?
借入をした状況や、その後についてお話をお伺いしてみました。
女の人のための借金でバカを見たと言う理由は …
取材した方の人物像

利用者プロフィール | |
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名前 | 高橋 京介(仮名) |
年齢 | 27(当時) |
性別 | 男 |
職業 | 住宅業 |
借入した会社 | アコム |
借入金額 | 20万円 |
月々の返済額 | 1万円以下 |
現在住宅業界で管理職についている高橋さんは、以前女性関係で借入をした経験を語ってくれました。
8年前の出来事で、色々な意味でつらい経験だったと言います。
高橋さんがその人に出会うきっかけはほんの些細なホームシックが原因だったのです。
どんな人?
山田孝之さん似の顔立ちの男らしいタイプの雰囲気です。
その女性と出会った当時は会社の立ち上げで初めて上京した時だったとの事で、知り合いが誰もいない中での出来事だったと遠い目でおっしゃっていました。
おしゃれな服装で、人当たりのよい人でした。
高橋さんダイジェスト
「ロンリネスシティトウキョウ……」
寂しさの余りに口から漏れたほろ苦い言葉。
「以前から厳しかった経営が更に傾いて……」
決めの一言。
「なんで返さなきゃいけないの!?」
こんな人もいるんだと思える状況です。
ロンリネスシティトウキョウ&奇妙な同居生活
もう8年ぐらい前の話なんですけれど、先輩と一緒に上京して企業の立ち上げをしようという約束を果たす為に、関西の田舎から東京にはるばるやって来ました。初めての一人暮らしで浮き足立っていたのも覚えています。
「高橋くんありがとう、ボーナスははずむよ!」
「ありがとうございます、先輩! がんばります!」
こんな勢いで頑張って企業の立ち上げをしていました。
それまで正社員をしたことがなかったのですが、色々な所でバイトや派遣をしていた時に身につけたノウハウでちょっとずつですけれど企業は成長していきました。
でも、ちょっとずつなんです。
給料はギリギリ入っていましたが、ボーナスなんて出ません。
雀の涙の給料と、残されたのは孤独感。
私はそれまでずっと地元で生活していたので、知らない土地に来るとこんなにもホームシックになるとは思っても見ませんでした。
噂には聞いていたのですが、実際になってみるとつらいものです。
「ロンリネスシティトウキョウ……」
部屋の中でつぶやいてみても、天井に吸い込まれて言葉は消えて行きました--
友人も一人もいない状態で、数ヶ月が過ぎたころアテもなくぶらぶらと新宿を歩いている時にナンパぐらいの感じで女の人に声をかけました。若葉麻里子(仮名)と言っていましたが、今となっては本名だったかどうかすら怪しいです。
話を聞いてみるとその人は住む家がないとの事です。
どうせ家にいても一人で、外に行っても一人。そんな生活だった私は、彼女と一線を越えること無く奇妙な同居生活が始まったのです。
「実家は茨城で、飲食店をしています」
「そうなんだ。戻ろうとは思わないの?」
「……はい」
さらに詳しく聞いてみると、彼女は実家に仕送りをするために東京で水商売をしていました。24歳で先日東京に来たばかりだそう。
実家はスナックの経営をしていて、その経営資金を仕送りするのが目的だったようです。
給料がそこそこ良かったのに、水商売をしているということで家が借りられなかったと言っていました。それで、ネットカフェを回って生活をしている所に声をかけたので転がり込んで来たという事だったようです。
アコムで借りたのは彼女のためだった
会社も要約軌道に乗ってきて、従業員が増えてきたころの事です。
「以前から厳しかった経営が更に傾いて……」
聞きたくもなかったカミングアウトを受け、頭を抱えたのを覚えています。
麻里子の実家のスナックは、ついに倒産の危機に陥っていたそうです。そこで、仕送りとは別に徐々に貯めていたお金を渡したのだけれど、まだ少し足りないとの事でした。
「俺も金無いんだけど……」
と言ったものの、泣き付かれてしまったのでどうにかしなければという使命感が私を襲いました。
正直そこそこ長い間一緒に住んでいたので、情がうつっていたのだと思います。
何がなんだかわからないまま、右往左往とコンビニに入ってモビットのパンフレットを手にしました。
「スグに借入をしたいんですけれど!」
と電話をかけた時間はもう9時を過ぎていて、電話には出てくれたのですがスグに融資をすることは出来ないと言われ、審査に落ちてしまいました。あの時はとにかく早く、と食い下がったのが原因だったのかもしれません。
続けてアコムのパンフレットを手に取り電話をしました。
「すみません、とにかく早くお金が必要で……」
「今日中にはこの時間では無理ですが、明日のお昼まででしたらご融資出来るかもしれません」
今思い出せば、アコムに掛けた時間は受付時間を過ぎていたかもしれないのですが、ちゃんとした対応をしてくれる親切なオペレーターだったと思います。
そこから、翌朝アコムの店舗に行き契約をして20万円借入。
家に帰ってすぐに麻里子にお金を渡しました。
その時にちゃんと借用書の書き方を調べて、お互い後腐れがないようにと書かせました。
「ありがとう、ちゃんと5万ずつ返していくから」
と言って、彼女は実家にお金を渡しに行ったのです。
その後、会社に行くと若い子が
「高橋さん! 電話来てましたよ! 俺ちゃんと出れたっすよ!」
と、褒めてほしそうに言ってくるのです。
話を聞くと恐らく在籍確認の電話だったので、苦笑いをするしかありませんでした。
小さな亀裂から同居の解消
案の定と言うか、なんというか。
彼女は返済を滞らせました。ですが、借りたのは私なので返済をしていくのは私です。
「ごめん、今月は生活費が厳しいから」
こんな事を何度も言われながら、半年ほど払ったり払わなかったりの態度を我慢。
ですが、ちょっとした事で喧嘩に発展してしまいます。
原因が思い出せないほど些細な事でした。
「もうお前出て行け!」
「わかったわよ!」
「返済はちゃんと続けろ!」
「うるさい! 分かってるってバカ!」
近所に聞こえるぐらいの声と玄関ドアの音が鳴り響き、また一人暮らしに戻ったのです。
この頃にはもうロンリネスな東京ではなく、友人もそこそこできていたので不憫な思いはしませんでした。
そのため、意味もなく再度同居生活に戻るということもなかったのです。
それから毎月彼女の給料日に電話をかけていたのですが、振込はありませんでした。
やはり返ってくる言葉は「今月は……」から始まるお断り。
さらに半年ほどした頃でしょうか、電話をかけると
「なんで返さなきゃいけないの!?」
とついに逆ギレをされて、電話を切られてしまったのです。
唖然としてから、もう一度電話をかけるともう繋がらなくなっていました。当時流行っていたSNSのメッセージに読まれた形跡もありませんでした。
返済生活と驚愕の事実
彼女と連絡が取れなくなってからも、結局返済はついて回りました。
私が借りたのだから当たり前です。
今ある仕事だけでは、成長したと行っても給料は雀の涙のまま。なので、ポスティングのバイトをして返済に全て充てていました。
そんな生活をしている中、何気なしに部屋を片付けていると彼女がおいて行った物が出てきました。
「送ってやるのも癪だしなぁ」
と思い、中を見て売れそうなものは無いか探していると一枚のカードが出てきました。
保険証……。
年齢は、当時31歳……。
彼女は当時24歳と言っていたので7歳もサバを読んでいたのです……。
本当に身の丈に合わないことはするもんじゃないと、改めてそれを見て実感しました。
アコムで借りた感想
アコムのオペレーターのお姉さんがすごく丁寧で、ちゃんと融資を出来るまでの流れをチャント説明してくれました。
当時の金利は、今の金利と違って22%だったと思います。その後返済が終わったのは奇しくも31歳だったんですよね。当時彼女の年齢と同じ年齢で返済が完了するとは、変な気分です。
それから、過払い金請求が出来る事を知って、アコムに5万ぐらい返してもらいましたね。
その手続も結構スムーズに行ったので、やっぱりちゃんとした企業なんだなぁ、と思いました。
取材した内容から得られること
男性のキャッシングトラブルで上位に来るのが女性関係です。
多くの場合お金を借りて、それを渡してしまうので手元にお金が残らないのに、借金は残ってしまいます。名貸しと言われる状態で、本来利用規約に反しているので行っては行けません。
女性関係の場合、男性が渡したお金が帰ってくることはほとんど無く、弁護士に相談しても示談されて半分しか返ってこないということもあります。
男女間でのトラブル自体もつきものなのに、それにお金の問題を持ってくるとさらにこじれてしまう可能性があります。
お金を借りて渡すのであれば、自分が借金を負担すると言う気持ちでやらなければ事件になってしまう事も考えられますので、注意をしましょう。